「広告代理店から事業会社のマーケに行けば、もっと落ち着いて働けるはず」
広告代理店にいると、一度はそう考えます。実際、事業会社は広告代理店出身者の転職先として一番人気です。
ただ、何も考えずに移ると「こんなはずじゃなかった」となるケースもあります。この記事では、広告代理店から事業会社に転職して後悔しやすいパターンと、後悔しないためのチェックポイントを、15年広告代理店にいる僕の視点で整理します。
この記事の結論
✓ 後悔の多くは「仕事内容のギャップ」と「期待しすぎ」から生まれる
✓ 事業会社は”ひとつの商品に深く向き合う仕事”。代理店の刺激の多さとは別物
✓ 面接前に「マーケ部門の役割・予算・裁量」を確認すれば、ほとんどの後悔は防げる
広告代理店から事業会社に転職して後悔しやすい5つのパターン
1. 「マーケ職」なのに実態は社内調整がメインだった
事業会社のマーケ担当は、営業・開発・経営陣など社内のステークホルダーとの調整が仕事の大部分を占めることがあります。代理店時代のように「企画を考えて提案する」時間は思ったより少ない、というギャップは典型的です。
2. 扱う商品がひとつで、刺激が減った
代理店ではさまざまな業界・商品に触れられますが、事業会社では基本的に自社の商品だけ。ひとつのブランドに深く向き合えるのは魅力ですが、飽きっぽい人には物足りなく感じることもあります。
3. 予算や裁量が想像より小さかった
「事業会社に行けば自分で予算を動かせる」と思っていたら、実際は決裁が重く、細かい施策ひとつにも稟議が必要…というケースもあります。会社の規模やマーケ部門の位置づけで大きく変わります。
4. 年収が下がった
広告代理店、とくに大手は年収水準が高めです。事業会社のポジションによっては、転職で年収が下がることもあります。「働き方」と「年収」のどちらを優先するかは、事前に決めておくべきです。
5. 「発注側」なのに代理店の気持ちがわかりすぎてつらい
意外と多いのがこれ。代理店の事情がわかるだけに、厳しいことが言えなかったり、自分で手を動かしすぎてしまったり。発注側としての役割の切り替えが必要です。
逆に、事業会社に行ってよかったと感じやすいポイント
- 施策の結果を、売上などの事業数字まで追いかけられる
- 中長期でブランドを育てる経験が積める
- クライアントの無茶振り・急な差し戻しが減る(会社による)
- 働き方の見通しが立てやすい
後悔ばかりではなく、「代理店では見えなかった景色」が見られるのが最大のメリットです。
後悔しないための5つのチェックポイント
- マーケ部門の役割:戦略から関われるのか、実行・運用中心なのか
- 予算と裁量:自分の判断で動かせる範囲はどこまでか
- 社内での位置づけ:マーケ部門は経営に近いか、営業の下請け的か
- 年収とのバランス:下がる場合、何を得られるのかを言語化できるか
- 代理店との関係:インハウス化が進んでいるのか、代理店活用が中心なのか
このあたりは求人票だけでは分かりません。業界に詳しい転職エージェントに聞くのが一番早いです。事業会社で評価されやすい経験や職務経歴書の書き方は、こちらの記事にまとめています。
事業会社のマーケ求人に強いエージェント
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ほかの転職先も比べたい人は、広告代理店からの転職先6選、エージェントの選び方は転職エージェント比較をどうぞ。
15年目の広告マンとしての本音
「隣の芝生は青い」はどの業界にもあります。代理店の大変さから逃げるためだけに事業会社に行くと、別の大変さにぶつかるだけかもしれません。
大事なのは、「何から離れたいか」より「何をやりたいか」で選ぶこと。それさえ決まっていれば、事業会社への転職は広告代理店出身者にとってすごく良い選択肢だと思います。


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