新卒から同じ広告代理店に15年いる38歳の僕が、正直に答えます。
結論から言うと、「やめとけ」とは全く思いません。
むしろ、マーケティングに少しでも興味があるなら、広告代理店はかなり良い選択肢だと思っています。ただし、会社によって特徴が全然違うので、仕事が合わないというよりは会社と合わない、というのはあるかもしれません。
この記事では、15年間同じ広告代理店で働いてきた僕が、「やめとけ」と言われる理由への反論と、向いている人・向いていない人を本音で書きます。
「広告代理店はやめとけ」と言われる理由
ネットで「広告代理店」と検索すると、「やめとけ」「ブラック」「きつい」という言葉がよく出てきます。その理由として多いのはこのあたりです。
- 残業が多い・長時間労働
- クライアントワークのストレス
- ノルマのプレッシャー
- 離職率が高い
確かにこういった側面がある会社もあります。でも、これは広告代理店全体の話ではなく、会社・部署によって全然違います。
僕自身、15年間働いてきて「やめとけ」と思ったことは一度もなく、この先もできれば広告代理の仕事をしていきたい(AIは台頭してきていますが)と思っています。
「やめとけ」と言われるが、実態はどうなのか
残業・長時間労働について
「広告代理店は残業が多い」というイメージは確かにあります。でも15年いる僕の実感では、そのイメージは古くなりつつあります。
僕自身、今はリモートワークで半分以上働けていて、以前と比べると労働時間はかなり改善されました。最近は働き方改革が進んでいる会社も増えていて、一概に「残業が多い」とは言えない状況です。
ただし、小規模の代理店や営業色が強い会社は今でも長時間労働が残っているケースがあります。会社選びが重要です。
離職率が高いについて
確かに離職率は高めだと思います。僕自身、15年間で少なくとも300人以上の転職していく同僚を見てきました。
ただ、理由をよく聞くと「業界が嫌になった」より「もっと良い環境・条件の会社に移った」というケースの方が多いです。
広告代理店で身につくスキルは市場価値が高く、転職しやすい。だから離職率は高いものの、業界自体が嫌になって辞めるというより、キャリアアップのために動く人が多い業界というのが実態だと思っています。
ノルマについて
数字で管理されるのは事実です。でも僕はこれをデメリットとは思っていません。
「自分の仕事が結果として見えないと物足りない」という人には、むしろ向いている環境です。成果が出たときの達成感は格別ですし、頑張った分が数字として残ります。最終的な営業成績や売上の数値管理だけでなく、日々の作業がどれに何分かかったかまで数値管理している細かい広告代理店もいるので、どのような形態が自分に合っているか次第ですね。
広告代理店が「やめとけ」ではない理由
給料が比較的高い業界
広告代理店は、他の業界と比べて給料水準が高い傾向があります。特に大手や成長中の独立系代理店は、マーケターとして稼げる環境が整っています。
「やめとけ」と言われる業界の中で、これだけ給料水準が高いのは珍しい。金銭的な観点では、むしろ選ぶべき業界だと思っています。
デジタル広告市場は右肩上がりの成長産業
「やめとけ」と言われながら給料が高い理由には、業界そのものの成長が背景にあります。
電通の調査によると、2024年の日本のインターネット広告媒体費は前年比110.2%の2兆9,611億円に達しました。さらに2025年は前年比109.7%の3兆2,472億円に成長すると予測されています。
つまりデジタル広告市場は毎年約10%ずつ成長し続けている成長産業です。
市場が拡大し続けているということは、広告代理店への需要も増え続けているということ。「やめとけ」どころか、今後もニーズが高まり続ける業界です。
また、日本の広告市場は世界で3番目の規模を誇り、今後も堅調な成長が見込まれています。
15年間この業界にいる僕が「やめとけ」と思わない理由の一つは、この市場の成長を肌で感じているからです。クライアントから「デジタル広告の予算を増やしたい」という相談が毎年増え続けているのは、現場にいる人間にしかわからないリアルな感覚です。
※出典:電通「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」
様々なスキルが身につく
広告代理店では、コミュニケーション力・分析力・トレンドキャッチ力など、様々なスキルが自然と身につきます。
クライアントへのプレゼン・データ分析・クリエイティブの企画・媒体との交渉——これだけ多岐にわたるスキルを同時に鍛えられる環境は、他の業界ではなかなかないのではないかと思っています。
副業としても稼ぎやすい
広告代理店で身につくスキルは、副業にも直結します。Web広告の運用・SEOコンサル・マーケティングアドバイザーなど、フリーランスとして稼げる選択肢が多い。
本業でスキルを磨きながら、副業でも稼げる。この二刀流ができる業界は意外と少ないです。
飽き性でも続けやすい
「0→1」を作る仕事もあれば、「1→10」にする仕事もある。新規事業の立ち上げから既存クライアントの運用改善まで、仕事のバリエーションが豊富です。
「同じことの繰り返しが苦手」という人でも、飽きずに続けられる環境が広告代理店にはあります。
また、GoogleやMetaなど、毎日のようにアップデートし続けるので、情報をキャッチアップするのは大変ですが、進化に合わせて提案を考えることも楽しいので、一生飽きないとも思っています。
広告代理店に向いている人・向いていない人
向いている人
飽き性な人 仕事のバリエーションが豊富なので、飽き性な人ほど楽しめます。クライアントも業種も案件も常に変わるので、刺激が続きます。
コミュニケーションが好きな人・分析力がある人 クライアントとの折衝・社内調整・データ分析——これらが得意もしくは好きな人は特に活躍しやすいです。MBTIがどのタイプであれ、広告代理店の中には自分に合うポジションが必ずあります。
数字で可視化されることを望む人 広告の成果は数字ではっきり出ます。「自分の仕事が結果として見えないと辛い」という人には向いています。成果が出たときの達成感は格別です。
リモートワークをしたい人 デジタル広告業界は比較的リモートワーク導入が進んでいます。場所を選ばずに働きたい人にも、選択肢が増えてきました。
向いていない人
1人でもくもくと仕事をしていたい人 広告代理店はクライアントワークが中心です。社内外のコミュニケーションが多く、1人で完結する仕事は少ないです。人と関わることが苦手な人には向いていないかもしれません。
前向きじゃない人 クライアントの成果が出ないとき、インシデントが起きたとき——ネガティブな出来事が続くと、メンタルがきつくなることがあります。切り替えが早く、前向きに取り組める人の方が長く続けやすいです。
SNSを一切やらない人 広告代理店の仕事は、トレンドのキャッチアップが重要です。SNSを全くやらない人は、業界の流れについていくのが難しくなることがあります。
ブラックな広告代理店を見極める方法
転職や就職を考えているなら、ブラックな会社を避けることが重要です。僕が実際に使っている見極め方を紹介します。
① 求人票の「固定残業時間」をチェックする
求人票に「固定残業〇〇時間分含む」「みなし残業〇〇時間分含む」という記載がある場合、その時間分は残業することが前提になっています。
固定残業が40時間を超えている場合は要注意です。月40時間の残業は、毎日2時間残業することを意味します。
② OpenWorkや転職会議で口コミを確認する
実際にその会社で働いた人の口コミが見られます。特に以下の点を確認してください。
- 残業時間の実態
- 上司・経営層への評価
- 退職理由
ただ基本的に、自分が在籍していた企業の口コミを投稿するということは、不満を持って辞めた可能性が高いので、過剰にネガティブな口コミになっている可能性も高いと思います。そのため、口コミを鵜呑みにすべきではありません。
③ 転職エージェントに内部情報を聞く
これが一番リアルです。転職エージェントは各社の人事と直接やりとりしているため、求人票には載っていない内部情報を持っています。エージェントによっては、特定の広告代理店情報にやけに詳しい人もいたりするので、偏っていないリアルな情報を聞くことができることも。
「この会社の残業時間の実態は?」「離職率は?」「どんな人が合っているか?」といった質問に具体的に答えてもらえるケースもあります。
広告業界に特化したエージェントであれば、業界内の評判や各社の特徴を詳しく知っているので特におすすめです。
広告代理店の平均年収
参考として、広告代理店の平均年収をまとめます。
| 会社規模 | 平均年収の目安 |
|---|---|
| 大手(電通・博報堂など) | 800〜1,500万円 |
| 中堅独立系 | 400〜700万円 |
| 小規模・ベンチャー | 300〜500万円 |
※会社・職種・年齢によって大きく異なります
給料水準は他の業界と比べて高めです。特に大手は突出しており、「やめとけ」と言われる割に給料面では恵まれている業界です。
中堅・独立系でも、スキルを身につけて転職や副業につなげることで収入を上げやすい環境があります。
広告代理店を選ぶなら「会社選び」が重要
「広告代理店はやめとけ」という言葉を耳にすることも少なくありませんが、「広告代理店の仕事は魅力的」というのが僕の考えで、新卒でこの業界に入って良かったと今でも心から思っています。僕はたまたま今の会社との相性が悪くなかったんだと思いますが、広告代理店の中でもいろんな特徴を持った会社がいます。
- 営業寄りの広告代理店
- 運用寄りの広告代理店
- 業種特化の広告代理店
- 総合型の広告代理店
仕事内容は自分に合っていても、会社の文化や働き方が合わないケースがあります。逆に言えば、自分に合った会社を選べれば「やめとけ」どころか、かなり良い環境で働けます。
だからこそ、広告代理店への転職を考えているなら、まず複数のエージェントに話を聞いてみることをおすすめします。会社の実態や内部情報を持っているエージェントに相談することで、自分に合った会社を見つけやすくなります。
広告・マーケ業界への転職におすすめのエージェント
転職未遂を何度も繰り返してきた僕が、実際に使ってみて良かったと思えるエージェントだけを紹介します。
広告業界特化エージェント
アドキャリ転職【最もおすすめ】 広告業界特化のエージェントなので、各社の特徴や内部事情を詳しく知っています。「営業寄りか運用寄りか」「リモートワークはどうか」といった具体的な情報を教えてもらえます。
マスメディアン 宣伝会議グループが運営する、広告・マーケティング・クリエイティブ職種特化のエージェント。業界内での知名度が高く、特命求人も多数あります。
CREATIVE VILLAGE 広告系マーケター・Webディレクターなど、Web業界経験者向けの転職サービス。2年以上の経験者が対象です。
総合型エージェント
リクルートエージェント 業界最大級の求人数を誇る総合型エージェント。まず転職市場全体を把握したい人はここから。
type転職エージェント 転職支援実績34万人以上の総合型エージェント。首都圏での転職に強みがあります。
まとめ:広告代理店は「やめとけ」ではなく「会社を選べ」
15年間、同じ広告代理店で働いてきた僕の結論は、「やめとけ」ではなく「会社をしっかり選べ」です。
給料・スキル・副業のしやすさ・仕事のバリエーション——どれをとっても、広告代理店はかなり魅力的な業界であると僕は考えています。マーケティングに少しでも興味があるなら、この業界に居続けたほうが良いと思っています。
ただ、どの会社に入るかで環境が大きく変わります。転職エージェントに話を聞いてもらいながら、自分に合った会社を見つけてください。


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